高齢者グループインタビュー調査結果報告(藤阪・須山町)

【調査の目的と概要】

枚方市の交通環境を整備する上で、交通に制約があるとされる高齢者の方から見た、交通環境に対する課題を抽出することを目的に、枚方・LRT推進会では1/24と2/5に藤阪、須山町の老人会においてグループインタビューを実施した。両グループともインタビュー時間は90分程度、調査の内容としては、


インタビュー風景(藤阪)     撮影:田畑喜功
 


インタビュー風景(須山町)    撮影:田畑喜功

  1. 公共交通に関する課題

  2. 道路交通に関する課題

  3. 地域の交通環境に関する課題

  4. 交通行政に関する課題

とし、おこなった。

【バス交通に対する要望】

どの老人会でのグループインタビューにおいて、あがってきた問題として、LRTを導入する前にまずバス交通とそれにかかる問題点を早急に何とかしてほしいという意見があがった。

特に藤阪ではバス交通が十分といえず、以前1時間に3本運行していたが、現在では2本に減少している、さらには来る時間もまちまちであるといった意見が上がり利用者にとっては非常に不便な思いをされているようである。実際、国道1号線より東側(藤阪、長尾)は100円のコミュニティバスなどが走っている国道1号線の西側に比べ格差を感じているようであった。次にバスのステップの問題がよくあがった。ステップに関しては、丈夫な高齢者でも乗りにくいといった意見が多く、要望としては大阪市で運行されている赤バスのようなものがほしいという意見が上がった。運行形態に関してはやはり運行間隔が長いことによる不満があがった。運行間隔を短くし夜遅くまでせめて京阪電車の最終の便にあわせた運行をすれば自動車を利用する必要もなくなり自動車利用も減るのではという意見も聞かれた。藤阪、須山町の老人会両方から出された意見としては京阪バス1社による独占的な運行についての問題が聞かれた。数社におけるバス会社の競争によるサービスの向上、路線の拡大を希望しているようである。また、コミュニティバスを運行させるのなら市が運営していくべきであるといった意見や高齢者や主婦の乗車が中心にしていくべきであるといった意見が出された。これらに関しては去る2002年2月1日からの規制緩和による自由化により今後どのように枚方市のバス交通が変化していくかに期待がかかるであろう。

【市内の渋滞に関する不満】

渋滞に関しては、藤阪、須山町両方から市駅まで時間がかかりすぎているという問題が多く出された(歩いたほうが早い場合もある)。今年度から関西外大が新設されることによる更なる渋滞に不安を感じているようでもある。

【市内の交通環境の現状】

交通環境についても特に多く出されたのが須山町であったが、須山町においては信号機と横断歩道の問題が現在切実なものとなっている。府道をはさんで向こう側の方と交流を行うにしても、信号がひとつしかなく危ないし、子供たちの通学に関しては赤信号で止まっている車の間を割り込んで通学しているような現状といった意見が聞かれた。また、公園の周りは駐車禁止になっているのだが依然として違法駐車が多く出入り口に駐車してある車のせいで死角になっており危険な状態であり実際に事故も起こっているようである。

【行政に対する要望】

その他の意見というよりは交通行政に対する苦情であったが、警察と公安委員会、警察と行政について信号機の設置の要望や違法駐車の撤去の要請などをしに行ってもいつもたらいまわしにされるといった意見も出された。また役所はいつも後手、後手に回って何かが起こってはじめて実行するということについて腹立たしい気持ちを抱えているようである。

【高齢者無料パスに対する要望】

最後に高齢者の無料パスについて、これは藤阪、須山町両方で無料パスを出してほしいという意見があがった。なかでも須山町のある方は例えば、高齢者、行政、バス会社の3者が分担する形でもいいからとにかく安くしてほしい、ほかの都市では無料パスの発行をしているところもあるのに枚方にはそういうものがないことに対して大きな不満をもっていることもわかった。

【まとめ】

現在、高齢者に対しては、年金の引き下げ、医療費負担の引き上げ等、社会情勢は厳しいものとなってきている.そういった中で,枚方市内での移動の要である公共交通のバスにおいてはまだまだ改善していくべき問題が多々あると言える。また、バスに乗るまでの道のりである道路環境においても警察、行政が手を携えて変えていくべき問題が山積みである。当、枚方・LRT推進会においても今後こういった交通問題の解決を市民と共に取り組んでいく必要があると考える。

文責:田畑喜功


HOME