関西外国語大学関係バスの現状

ではですね、この次の話ということで、外大の現状をちょっと高橋さんに説明していただいて、ここから本格的にLRTを導入するにはどんなことが必要かというところに入っていきたいと思います。では、高橋さんお願いします。(写真参照)

高橋です。今お話がありましたように、普通のベッドタウンと言われる都市は、鉄道の駅に向かう通勤、通学の片輸送が多いのですけども、枚方は関西外大や大阪国際大学などがありまして、逆方向の輸送も多いということですね。具体的にどれだけ学生がいるかということなんですけれども、関西外大が全体では13500人ぐらいいまして、そのうち穂谷の方に1300人ぐらいいますので、その分除いて中宮学舎の方は12000人ぐらい学生がいるということです。藤阪の方から来る学生というのはあまりいなくて、枚方市とか御殿山あたりの駅から来る学生がほとんどということになってます。その状況を撮影したのがこの写真なんですけど、これが枚方市駅ですね。

並んでいる手前側のバスが外大行きの直通バスで、このバスはノンストップで外大まで行きますので、基本的に外大の学生しか利用しないということですね。後ろのバスは、外大の方を経由してその先の長尾とかまで行くバスで、朝の時間帯は乗り場を分けて運行してますので、同じ時間に同時に発車ということも可能になっています。

前の乗り場と後ろの乗り場それぞれに学生がたくさん並んでいるという状況になっています。

次お願いします。これが並んでいる学生なんですけども、京阪の枚方市駅の構内の方に入っています。エスカレーターの直前のところまで、列がずーっと2列で続いているという状況です。ちょっと見てびっくりしたんですけど、これだけの列ができています。

次お願いします。これが、実際にバスに乗っているところなんですけども、これは外大直通ではなく、後ろの方の外大を経由してそれより先の方に行くバスなんですけども、こちらももうデッキの方まで学生でいっぱいで、後ろにお年寄りがいるんですけど、乗れないので次のバスを待とうという感じになっています。

次お願いします。これは帰りの状況なんですけども、これは夕方4時半ぐらいですね。

禁野口のところから市民病院に上がる坂の状況を撮影したんですけども、歩いている学生が多いです。バスが走ってるんですが、バスを利用せずに歩いている学生も結構います。

次お願いします。これを見てもバスが何台も連なって走ってるんですけども、歩いている学生が多いということで、この時間帯は結構早い時間帯なのでバスに乗らずに、お金の問題とかもいろいろあると思うんですけども、歩いて帰ろうという感じで、このへんの歩いている学生も入れればもうちょっと潜在需要というのはあるかなと思います。

次お願いします。これは、自転車なんですけども、自転車も連なって走ってまして、ちょっと道が狭いところを通っているので、このへんは危険ですね。あと、市民病院の前あたりも非常に道路が狭いですので、危険な状態です。

次お願いします。こちらはバイクなんですけども、バイクもやはり結構通ってまして、もう車とバスで渋滞になっているんですけど、その渋滞の横をすり抜ける形で通って行って、現在でも非常に危険な状態になっています。

次お願いします。こちらは、逆に行きの方です。同じ場所の朝の風景なんですけども、朝は直通のバスがかなりありまして、それ以外のバスも含めまして、30分間に集中してほとんどのバスが満員なので、ほとんどの学生がバスに乗っているんじゃないかと思っていたのですが、実際に見てみるとこのようにバスを利用せずに歩いて通学している学生もいます。左端にバスがちょっと見えているんですけども、そのバスはもう満員で乗りきれないぐらい乗ってるんですが、そのバスを横目に結構歩いています。さらに、朝は枚方市駅方面から国道1号線方面に向かってダンプとかトラックとかが多くて、すごい排気ガスで息苦しいような状態なんですけども、その中を歩いている学生が結構いるということで、非常に環境には悪いという風に思いました。

次お願いします。こちらが、関西外大のバス停の時刻表です。枚方市駅方面の時刻表になっていますが、夕方16・17時台、2分〜6分、2分〜5分間隔で運行ということになっていて、時刻表が具体的に何分、何分という時間がいらないくらいにバスが運行されているはずなんですけれども・・・。

次お願いします。これは、まだ学生の帰宅ラッシュが始まる前、17時半ぐらいですね。

それでも20人ぐらい並んでいるんですけれども、まだ若干余裕がある状態です。

次お願いします。これがすごい状況なんですけども、この真ん中ぐらいニッポンハムの看板のあるあたりを曲がったところがバス停なんですけども、そこからずーっと並んで郵便局の後ろあたりまで学生が並んでいます。

ここは、バス停の直後が交差点になってますので、こういう形で並んでいます。交差点の右側は若干道路が広くて余裕があるように思うんですけども、ちょうど外大の横にコマツの工場がありまして、そちらの方から大型のトラックなどが来まして、写真の手前側にトラックが行きますので、交差点の右側に学生が並ぶとさらに危ない状況なので、バス停が左側に設けられている思われます。

この日はくもりなので、これが雨の日だともっと大変なことになっているんだろうと思います。

次お願いします。真ん中に見えるのが京阪バスの社員の方なんですけれども、17時半過ぎぐらいに来られて、学生の整理に当たっているところです。

次お願いします。17時45分ぐらいからは、学生がどんどん出てきますので、バスが2台同時ぐらいに到着して、社員の方が2台のバスの真ん中できみはこっち、きみはこっちという感じで2台のバスに振り分けて、うまくスムーズに乗ってもらえるようにしているところです。

次お願いします。このように、横断歩道の信号が青になりましたら、どんどん学生がバス停の方に向かって歩いてきています。

次お願いします。バスが2台止まったりして、本数はあるんですけれども、どんどんバスに乗り込みますので、停車時間が非常に長くなりますので、その間バスが道路を占領していまして、しかも歩道の方は学生でいっぱいですので、自転車の通る場所がなく、バスの外側、センターライン付近を通行せざるをえないので、かなり危険な状態になっています。

次お願いします。こちらは、自動車なんですけども、右側のタイヤがセンターラインを越えて反対車線の方にはみ出して走っています。20分ぐらいこのようにバスが道路を占領する状態が続きますので、これは危険な状態になっています。

次お願いします。外大に西門という門が別にありまして、そこは中宮住宅前から曲がって行くところなんですけども、そちらからも直通のバスが出ています。

次お願いします。この時刻表を見ていただいたらわかると思うのですが、14時台、16時台、17時台、18時台のNSと書いてあるのが「ノンストップ」で直通で枚方市駅まで行くバスです。14時台にもマークがあるということは、昼ぐらいで授業が終わった学生が帰るのに直通で行くということです。普通のところだったら、朝のラッシュと夕方のラッシュだけで昼間はがらがらというところが多いと思いますが、枚方の場合は外大の学生がいるために昼間でもバスの本数があって学生も結構利用しているので、昼間はがらがらというわけでもないということで、LRTの需要もあるのではないかと思います。

次お願いします。こちらが西門の状態なんですが、画面奥の左端の御殿山駅から徒歩15分ぐらいということで、御殿山駅から歩いたり、自転車で通学という学生が多いようです。

御殿山からは、バスがありませんので。これは、10時40分ぐらいで普通のラッシュの時間からはかなり離れているんですけども、朝9時ぐらいからの授業の学生もいるのですが、大学の場合は、自分の取っている授業だけ出席すればよいので、11時ぐらいからの授業を受ける学生もいるので、こういう時間帯の通学というのもあり、それはバスも同じ状況で10時半ぐらいから11時台にかけて直通のバスがあり、直通バスも外大経由でその先に行くバスも10時台もかなり満員で、ぎゅうぎゅうな状態になっています。

次お願いします。こちらは、外大西門の夕方なんですが先ほどの正門側と比べて人が全然いないのがわかると思いますが、夕方は御殿山の方に若干歩いて行く人はいるのですが、直通のバスが走っているとはいえ、西門の方はグラウンドとか体育館が近くにあって、校舎が遠いということもあって、これは18時台ぐらいなんですけれども、18時台ということは朝から授業を受けていたらかなり疲れている。自分の大学の頃も遅くまで授業があった日は疲れ気味だったのですが、疲れているのに遠い西門まで行ってバスに乗る人はいないので、先ほどのように正門の方がすごくいっぱいになってしまう。せっかく西門から出る直通のバスもあるのにがらがらで、正門の方があれだけ混雑状態になっているという。

ちょっとこれも考え直さないといけないところだと思うのですけれども、LRTに置き換えると正門がああいう状態でも一気に乗客を運べますし、先ほど鎌田さんの方からありましたように大学の中に乗り入れてしまえばもっとスムーズに偏りなく輸送ができるんじゃないかなと思いました。

写真では載せていないのですが、大阪国際大学というのも藤阪の先にありまして、そちらの方は今、職場に国際大学出身者がいるんですけども、彼に聞いてみますと、1回枚方市駅からバスに乗ったら30分と言われていたのが、実際は1時間かかってしまったと。バスはもう使えないから、JRの学研都市線に乗って藤阪から歩いて行ってたということで、この通学状況を見てましても、国際大学行きのバスは満員なんですけど、半分ぐらいは関西外大の学生で、関西外大を過ぎると乗客が半分ぐらいで国際大学まで行く学生は少ないです。一応路線案では藤阪までなんですが、国際大学まで延ばせば、LRTになりますと輸送力も増えますし、定時性も確保されるということで、大阪国際大学の学生は今は京阪沿線からは非常に不便なんですけども、その学生も取り入れられるので、さらに需要も増すであろうということも思います。以上です。

ありがとうございます。資料のほうで実際に導入すればどんな成果があるのかということをまとめて終わりにしたいと思います。

LRTの導入による成果と潜在需要の創出ということでまずaですね。LRTを導入するとどうなるのかということなんですけども、まず非常にたくさんの車体をつないだ車両を用意しますので、利用客を一度に乗降させることができるようになります。停車時間短縮による速度向上、もちろんこれは道路の占用時間も短くすることができるので、結果として道路混雑の緩和にもつながるということです。運行本数を集約することができますので、もしワンマンで電車を運転することができれば、人件費の抑制につながります。

もちろん先ほどの話と関係がありまして、道路の占用時間短縮にもなりますので、交通量の増加をつなげることができる。電気運転を行ないますので、運行経費の削減が可能です。地球環境に配慮した交通政策も展開することができます。結果として道路状況を改善し、新たな交通需要を創出する可能性が広がるということにつながります。

先ほど2つ潜在需要について挙げましたけども、これはいろんな要素が考えられると思います。一番わかりやすいのは最初にありますとおり、所要時間短縮効果による自動車、原付、自転車からの転移があります。それから集客施設を経由した路線設定による新規需要の創出、集客施設利用者の増加ということで、これは山田池公園であるとか体育館の方へのバス路線というのはあまり設定されていないという状況で、今ある意味自動車や自転車に頼っている状況です。これをLRTによって一手に引き受けてもいいんじゃないのかと。

そうすれば、体育館なんかでもし中規模、大規模のイベントをやる場合でも一手に引き入れることができるんじゃないかと考えています。

それからユニバーサルデザインという言葉があります。いわゆるどんな人であっても利用しやすい車両、これを導入することによってバリアを外して行こうじゃないかと。

ノンステップバスというのは、車いすであるとかお年寄りのための乗り物だと考えられているんですけども、そんなことはなくて私のような若者であってもやっぱり乗り降りは便利でしすし、もちろん素早く乗れるわけですからトータルの時間はやっぱり縮めることができる。そういう意味で、ただ単に不利な人のためじゃなくて、いい人にも利用しやすいものをということで、LRTはうってつけのものだと考えられます。

何よりも大事にしたいのは、実際に走っているものを見てもらうことによって、「あっ利用してみたいな」という意識を持たせることも大切なんじゃないのかなと思います。

これを実現するには、後で発表があると思うんですけども、いろいろな前提条件がございます。
 まず、表定速度の確保ということで、20km/h以上は絶対確保したいというデータがございます。これは、実際に利用されている路面電車であるとか、バスなどの実際を見てみますと表定速度20km/h、平均で20km/hをキープしている状態というのを維持しないことには自動車からの転移というのは見込めない。ちなみに現在の京阪バスの日中での表定速度はたぶん15km/hを切っているんじゃないのかなという状況ですから、その気になれば自転車の方が速い。その気になればですよ、かなり飛ばさないといけないですけども自転車でも実はあまり遜色ないという実態がありますので、少なくとも自転車、原付よりは速い状況を確保しないといけない。もちろんそれは、電車専用軌道の敷設、自動車軌道内侵入禁止の徹底、これは電車側に求められるんですが、停車時間の短縮、交差点における電車優先信号の設置などが必要です。

運賃ももちろん必要で、これは長山先生などもおっしゃってましたとおり、一回乗るたびに高い料金を取るようでは誰も乗ってくれない。ですからもっと安い運賃。もちろん日本は独立採算が基本ですから、独立採算の追求と平行して低廉な運賃設定というのを考えないといけません。これは、枚方市による補助であるとか、鉄道、バス乗り継ぎ割引というのを他業者と話し合うということも必要かと思います。

もちろん利用者本位の路線設定というのも必要です。これは、例えば先ほど関西外大の停留所の話がありましたけれども、道路の上に設置するんじゃなくて、大学内に取り込んでしまう。病院であればもちろん病院の入口の前に設定をする。市駅でもいっしょだと思います。枚方市駅と名前を付けて500mも歩くというのは論外です。やっぱり利用しやすい場所に電停を造る必要がある。それだけじゃなくて、利用客を増やすためにはタイアップなんかもしていくことも必要かと思います。例えばショッピングセンターとチケットの受け渡しであるとか、割引であるとかそういうものを協賛してやっていくことも必要かと思います。

こういうことをやるためにはもちろん供給体制の確保は必要です。みなさん乗って下さいと言っているのに満員で乗れませんという状況は絶対あってはならない。そのためには十分な供給体制の確保と綿密な運転計画の作成が必要です。

自動車に対しても優位性を確保する必要がありますから、パーク&ライドの充実というのはもちろんですが、都心部への車の乗り入れ、これはまた後ほど説明があると思うんですけども、規制をしていかないといけない。自動車よりも電車の方が便利ですよという転移策というのも行政の面であるとか、企業側の施策の面でも訴えていく必要があるかと思います。

最後になりますが、人にやさしい交通機関であることが大切。上下移動の省略、待たずに乗れるわかりやすいダイヤ。これは、高頻度運転で解決できます。高齢者や子供でも手軽に利用できる利用方法。簡単に乗り降りできるということも大切だと思うんです。

これは、今回のテーマからちょっと外れるんですけども、ハード面の設備よりも人間によるサービス。ソフト的な部分というのも充実させる必要があると。やっぱり不安なときに機械に聞くよりも人間に聞く方が安心できるというのはすごくあるんですね。

人間の配置すること、プラスどの人たちにも利用しやすい交通機関であることをアピールして、教育していく必要もあるんじゃないのかなと。いろいろたくさん前提条件はあるんですけども、これを満たすことができればかなり満足のいくLRT路線というのを枚方に造ることは可能ではないのかなという結論に至りました。以上、需要予測の方を終わらせていただきたいと思います。

どうもありがとうございました。山本さんと高橋さんによるたいへん詳細な、かつ綿密なご発表いただきました。関西外大のあたりの混雑ぶりというのは、かなり聞いておりましたし、1、2度目撃したこともあるんですけども、実際にああいう写真を見せていただきますと、いかにすさまじいものかとよくわかりました。また後でいろいろご議論があろうかと思います。

では、引き続きまして4番目でありますが、建設費、運営費等の推測ということで櫛浜さんからご発表いただきます。よろしくお願いします。