「公共交通の現状と課題 」

報告者 佐々木副代表

 楠葉に待合事務所を置いています京阪宇治交通鰍フ佐々木でございます。 大きなテーマはさておき、バス屋の呟きを聞いて頂きたいと思います。

 本音でしゃべれということでございますので宜しくお願い申し上げます。

 大正11年から創業している訳でありますから、人間でいうたら数えで77歳、喜寿を迎えます。健康状態は非常に悪く気持ちだけは、何がなんでも百歳まで生き延びるというということで現在頑張っております。

 他のバス会社も大体、似たような時期に出来ていて、昭和30年代、全国に津々浦々にバス路線網が出来上がっています。そのうちの九割に当たります何百社が、本業で赤字です。世界的に見てもバスの発達は、同じような展開をしています。

 現在、世界中でこれほど木目細かい交通体系を持っているのは、バスが一番であろうと思っています。 地球上の人類のことを考えることとバスのこれからを考えるというのは、共通項があろうと自負しております。

 バスが走る前の日本は、どうであったかといいますと、江戸時代に大体一間幅の道の整備が、ずっとされてきて、それを明治時代に引き継いでくる訳でけど、その道幅を二間幅あるいは三間まで広げたら、そこまでバスが入ってくるという格好でバス路線が出来てきます。

 なくてはならん地域の足というのが、今から30〜40年前までの状況であります。 ところが、次の二つのことを契機に大きく崩れてくる。一つは、人口の都市集中です。

 田舎に人が住まなくなり、それから一方では、まちに人が集まる訳ですけれども、これがニュータウン、あるいは、新興住宅地という形で形成されまして、バスでいいますと団地の通勤輸送というのが形成されます。

 これに拍車をかけましたのがいわゆるモータリゼーションです。マイカーほど便利な乗り物は、ありません。 マイカーに乗るよりはバスに乗ろうかというのが、団地の通勤輸送にだけ辛うじて残っております。

 10分に一本以上来るバスというのは、通勤だけにだけ使われているといっても過言ではありません。30分に一本来るバスは、家の前を通っていても自分が使う道具とは、認識されていない。

 この間、こんなショックがありました。宇治に地ビール・レストランを開いており、8名以上の方は、枚方市も含めましてお迎えに上がりますが、あるグループを迎えに行きましたら、幹事さん一人が待っている。皆さんどうされましたかと聞きますと、いろいろ用事があるということで皆マイカーで行った。幹事さん済まなそうな顔で一人でバスに乗ってくれました。只でもバスに乗らない。

 唯一残っている団地の通勤輸送が後どうなるかといいますと、ご利用客の大半が、50代の男性と20代の女性であります。今まで、60代の方もついこの間まで、バスの乗って頂いていたのですが、どんどんリタイヤされています。後数年で50代の方の山もなくなります。20代のお嬢さん方も順次、家庭に入られるという形で、これは減衰して行きます。

 子供さんが、学校を卒業して就職して家庭を持って、団地に戻ってこない。このまま行ったら、ゴーストタウンになり兼ねない。

 枚方市を含めまして、何十万都市というのは、沢山ありますけれども、何十年か前は、 その十分の一にも満たない都市であったんではないか、ほとんどが住宅団地の集合体なんですネ。

 人の住む取り組みの一つとして、隣の八幡市でコミュニティバスの取り組みをやっています。この間、NHKさんが、朝、放送して頂いたんですが、男山団地の連合自治会さんと、中の商店街さんと協議を進めているんですが、小型で、狭い道路でも走れるバス。低床で、お年寄りでも、小さいお子達をお連れの奥様方も、楽に、乗り降りしてもらえるバス。二百メーターピッチ位でバス停を造る。運賃は、150円くらいで行けるかなぁ?。そういうものを具体的に準備しています。うまいこと行きましたら、是非、枚方市域でもやらして下さい。

 なぜ、そういうことを考えるかといいますと、現在の道路は、路地から表通り→幹線道路→高速自動車道というように体系的に出来ています。これは、物流には適している、あるいは、遠出をする時には、便利なんですが、毎日の生活のための道は別だと思う。友達のところへ行きたい、買い物、通院、通学、文化活動こういったことを毎日、ボケルる寸前まで保障する、行きたい所へは行ける条件が欲しい。

 これを整えるのが、正に、まちづくり、 都市づくりではないのかな、私、思っています。

 ほっといたら、ゴーストタウンになり兼ねない事は、多分、百年、二百年、もうちょっと前に、ヨーロッパで似たような事が起きたのではないかと、その中で、一つは、LRTをうまくつくりあげながら、まちを充実させ、文化の蓄積のある・人の住むところに創り上げて行った人たちの智恵というのが、一つは、このLRT研究会の中で探れるのではないかと思った次第であります。

 やっと、私の話題提供をLRTへつなげる事が出来ましたので、お後が宜しいようで。

座長
 今日は、遠慮しておっしゃらなかったようですが、環境定期券について、皆さんに紹介して頂けますか。

佐々木
  これについては、別掲参照して下さい。

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