LRTはポジティブなイメージを もたらしてくれる

 今日の講演のレジメにはいろいろなことを書いておきましたが、トラムはヨーロッパでは中規模都市のメインの公共交通機関です。日本でも路面電車の見直しの機運が高まってきています。道路を建設してもそこに車が溢れて渋滞の解消にならないということがだんだんとはっきりしてきました。渋滞を解決するために道路を作ってみても解決にはならない、自動車交通の行き詰まりが明白になり、車社会を脱却するための抜本的対策が求められているのです。 それから交通の弱者にやさしいバリアフリーの乗り物が求められています。高齢者、身障者、車椅子、ベビーカー、キャリアーを利用する人が最近増えてきています。子どもづれに対しても優しい乗り物というものが必要であります。都市での移動の自由性の確保ということが求められます。先ほどビデオでご覧頂きましたように、いかに乗りやすい乗り物であることが大切かということがおわかりいただけたと思います。

 環境問題からの見直しが求められます。大気汚染を生み出さない乗り物、自動車によって生じる環境への負荷というものを考え、それを軽減していかなくてはなりません。

 下降気味だったヨーロッパ各地の中心街が、先ほどビデオでご覧頂きましたように、LRTの導入で活気を取り戻しております。

 路面電車を他の交通機関とうまく連結させています。ドイツのハノーファーにしましても、ベルギーのブリュッセル、アントワープ、オーストリーのウイーンでは、プレメトロと名づけて地下に入って地下鉄と連絡したり、そのままの線路で乗り入れをしているところもあります。先ほどご覧頂いたフライブルクなどは国鉄とうまく連絡させています。

 ビデオでLRTとは何かを十分にご覧頂きましたが、おさらいをさせていただきます。

 ライト・レール・トランジットは日本では軽快電車とか、スーパー市電とか、高速路面電車というように訳されていますが、多分これからはLRT、LRTというようにこの言葉がそのまま使われてくるでしょうね。ライトとは重量が軽いこともありますし、挙動が軽快であるという意味も含んでいまして、この両者の意味を兼ねて使っていると思います。

 鉄道だとか地下鉄はヘビー・レールというわけでしてLRTはそれらの対照となるものです。新しいLRTのイメージとしては、速い、スマート、静か、たくさん人が乗れる、ステップレス、気軽に利用できる、というようにポジティブなイメージが持たれています。

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