都市計画の一環としてシステムとして考えられるLRT

 それは車両の問題だけではなくLRTはシステムとして考えられなければなりません。都市計画の中で明確に位置づけられる必要があるわけです。車社会から脱却するといいましたが、自動車を完全に排除するわけにはとてもいきません。いかにうまく関連づけるかということが大切です。先ほどのビデオにもありましたように、LRTのシステムとして、P&Rパーク・アンド・ライドの施設をどこに作って、どのように乗り換えてもらうかという問題があります。

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写真:旧東ドイツ・シュベリーンの路面電車と共存するバス
写真:長山氏

バスとの連絡を良くしてR&Rライド・アンド・ライドをどのように有効にするかという問題もあります。日本でも盛んに行われていますが、C&Rサイクル・アンド・ライド、自転車できてどのように乗り換えるかという、いろんなことと関係します。

 LRTは都市計画、交通計画と一体化して考えられています。どのような車両を入れてくるか、ステップが完全にない100%低床車もありますし、乗降口だけは低床式で、車内に入ると座席が高くなっている車両もあります。プラットホームの問題、アウグスブルクやカールスルーエなどではプラットホームがない停留所もありましたが、ストラスブールなどは見事にどの駅も同じ高さで同じような構造で設計されています。照明なども一体化しています。車両、プラットホーム、照明などのシステム化が重要ですし、ストリートファニチャーとしての美観がこれまた重要です。あのストラスブールの屋根つきのスマートなプラットホームなどは大変な美観をもたらすわけです。

 それからトラムをいかに走らせるか、それをどのように優先させて走らせるか、ただ単に車を排除するだけの問題ではなく、トラムの走行条件をどうのように整備していくかということも大切であります。

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