いま、なぜ枚方にLRTなのか

 「なぜ、いま枚方にLRTをかんがえようとするのか」が本日のメーンテーマです。枚方の渋滞という問題は、多くの人の移動の自由を奪っています。それをみんな毎日のように感じていますが、あきらめがあるのか、「こんなもんか」と思ってしまっています。しかしみんなで考えていかなければなりません。それも抜本的な対策を考えなければならないのです。現在の枚方の渋滞は道路をつくればいいだろうという風な考えではなく、もう少し違った視点から考えていかなければ解決しないように思えます。新しい都市つくりを合わせて考えて、活気溢れる枚方にする必要があるわけです。

 先ほどもビデオの上映時に申しましたように、LRTというのはただ単に路線をつくればよいというものではありません。どのようなものをつくればよいかということですが、私はネットワークになったものがイメージに浮かんできます。時間の関係でOHPを省いてしまいましたが、ヨーロッパ各都市のトラムの路線図を用意していました。

 確かに現在もっとも注目されていますフランスのストラスブールは単一の路線しかありません。それが街の中心を通って活性化につながりました。カールスルーエではお城のそばの中心街のマルクトプラッツには9路線が集中してきています。それも市内だけを走るのではなく、周辺の都市、例えばバーデンバーデンという有名な温泉保養地が南西方向にありますがそこともつながっています。南東方向にあるプフォルツハイムという「黒い森」の北の入り口の街にもつながり、北東にあるブルッフザールという有名なお城のある街にもつながるというように、四方八方の街とつながっています。

schwerin.gif (58837 バイト)
写真:旧東ドイツ・シュベリーンの狭い道路を走る路面電車
撮影:長山氏

 ドイツ国鉄もこれらの街をつないでいますが、LRTですと駅間距離が短いのでいろいろなところに止まりながら多くの人を集めてくるのでありましょう。だから、VTRでご覧頂きましたように、カールスルーエの中心地は人がわいてくるような状態になっているのです。

 フライブルクの場合にもそうですが、あれだけの人が集まってくる。あれは近郷近在からきっと人が集まってくるのだと思います。人が集まったところにはそこにまた楽しみが作り出されていく、その楽しみに接するために人がまたそこに行くと。このような循環がつくられ、それの中心的役割をLRTが果たしているわけです。枚方もこのような活気あふれる街になってほしいと願うのです。

 日本でもいろんなところでLRTを考える動きがでてきています。それは主に既存の路線を変えていこうとする動きや、あるいは過去にあったところを復活させようということでありまして、これまでにそんな路線がなかった枚方に実現できれば日本全国に大きな刺激を与えることになりましょう。

 私、最初に申しましたように、みんなで新しい夢を追求していきたいというのはこのような意味があるのです。発起人の皆さんもそういう夢を描いておられると思いますし、今日ここに参加していただいた方々も、「うん、そういう夢の実現のために努力してみよう。みんなと一緒に夢を見て、実現してみようじゃないか」と、そんな気持ちになっていただけるのじゃないかと思います。

記念講演目次へ  前ページ  次ページ

qmark1.gif (1127 バイト)